焼き菓子の食品表示|単品・詰め合わせのラベルの書き方
クッキーやマドレーヌのラベルを作るなら、味ごとの配合と売る単位を先に決めます。実物ラスクの表示を見ながら、原材料・期限・詰め合わせの確認点を整理します。
執筆:もぐもぐ
焼き菓子のラベルを作るときは、味ごとの配合と、何を一つの商品として売るかを先に決めます。クッキー1袋と、数種類を入れたギフト箱では、情報のまとめ方が変わります。まず実物で欄の役割をつかみ、自分の商品の資料に置き換えていきましょう。
実物ラスクで、原材料・内容量・期限欄を見る
グーテ・デ・ロワ R6の表示には、名称として「ラスク」、原材料名の先頭に「小麦粉(国内製造)」とあります。内容量は、1袋に入る枚数と袋数の両方が書かれています。
横にスクロールして、表示の細部を確認できます。
画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)- 欄
- 名称
- 写真で読める内容
- ラスク
- 欄
- 原材料名
- 写真で読める内容
- 小麦粉(国内製造)、バター、砂糖、イースト、食塩/ビタミンC
- 欄
- 内容量
- 写真で読める内容
- 2枚入×13袋(26枚)
- 欄
- 賞味期限
- 写真で読める内容
- 枠外右に記載
| 欄 | 写真で読める内容 |
|---|---|
| 名称 | ラスク |
| 原材料名 | 小麦粉(国内製造)、バター、砂糖、イースト、食塩/ビタミンC |
| 内容量 | 2枚入×13袋(26枚) |
| 賞味期限 | 枠外右に記載 |
「国内製造」は小麦粉の製造地を示す部分です。「/」は原材料と添加物の区切りとして使われています。この写真から配合量、ビタミンCの使用目的、期限の設定根拠を推測することはできません。グーテ・デ・ロワ R6の登録画像を見る
ラベルを書き始める前に、商品ごとの資料をそろえる
同じ工房で作る菓子でも、バターを替えたり、チョコレートを加えたりすると表示が変わることがあります。共通のひな形は使えても、中身の確認は商品ごとに行います。
手元に置くもの
- 味ごとの配合表と、製造時に使用する重量
- ミックス粉、チョコレート、油脂などの最新規格書
- 原料原産地・添加物・アレルゲンの確認情報
- 1袋・1箱に入れる種類、個数、重量と包材
- 期限設定の根拠と保存条件
- 表示責任者・製造所の情報、必要な栄養成分表示の資料
必要項目を、資料と対応させる
商品名をデザインする作業と、食品の内容を表示する作業を分けます。例えばブランド独自の呼び名しか書いていない場合は、内容を表す一般的な名称も確認します。
- 項目
- 名称
- 自分の商品で確認すること
- 焼菓子、クッキーなど、実際の内容を表す一般的な名称
- 項目
- 原材料名・添加物
- 自分の商品で確認すること
- 配合表と規格書を照合し、それぞれの重量順と区分を決める
- 項目
- 原料原産地
- 自分の商品で確認すること
- 対象原材料の産地または製造地を資料で確認する
- 項目
- アレルゲン
- 自分の商品で確認すること
- 直接の原料だけでなく、複合原材料や添加物の由来も確認する
- 項目
- 内容量
- 自分の商品で確認すること
- 販売する1袋・1箱の数量や重量。食品区分に応じ計量法の規定も確認する
- 項目
- 期限・保存方法
- 自分の商品で確認すること
- 自社の製造・包装・保存条件を前提に決めたもの
- 項目
- 責任者・製造所
- 自分の商品で確認すること
- 責任を負う事業者と実際に製造する場所の関係
- 項目
- 栄養成分
- 自分の商品で確認すること
- 省略条件の適用を確認し、表示する場合は基本5項目と食品単位をそろえる
| 項目 | 自分の商品で確認すること |
|---|---|
| 名称 | 焼菓子、クッキーなど、実際の内容を表す一般的な名称 |
| 原材料名・添加物 | 配合表と規格書を照合し、それぞれの重量順と区分を決める |
| 原料原産地 | 対象原材料の産地または製造地を資料で確認する |
| アレルゲン | 直接の原料だけでなく、複合原材料や添加物の由来も確認する |
| 内容量 | 販売する1袋・1箱の数量や重量。食品区分に応じ計量法の規定も確認する |
| 期限・保存方法 | 自社の製造・包装・保存条件を前提に決めたもの |
| 責任者・製造所 | 責任を負う事業者と実際に製造する場所の関係 |
| 栄養成分 | 省略条件の適用を確認し、表示する場合は基本5項目と食品単位をそろえる |
ここでは基本項目を整理しています。使う原材料や商品の特徴による追加表示、販売形態による省略の条件も別に確認します。
表示事項・方式:食品表示基準第3条、第4条、第8条(新しいタブで開きます)/東京都・一般用加工食品の概要(新しいタブで開きます)
架空の配合例で、原材料の順番を組み立てる
次は書き方を考えるための架空例です。小麦粉300g、バター160g、砂糖140g、卵80gを使用すると仮定します。焼き上がり重量や栄養価、保存日数を示す例ではなく、実物ラスクのレシピでもありません。
表は横にスクロールして読めます。
| 原材料 | 使用重量 | 表示前に確認する情報 |
|---|---|---|
| 小麦粉 | 300g | 正式な名称、製造地、小麦の情報 |
| バター | 160g | 仕入品の規格と乳の情報 |
| 砂糖 | 140g | 仕入品の名称・内訳 |
| 卵 | 80g | 使用する可食部の重量と卵の情報 |
この配合では、小麦粉、バター、砂糖、卵の順です。レシピで先にボウルへ入れる順でも、焼成後の重さを想像した順でもありません。原材料の表示名称や複合原材料の内訳は、規格書に戻って確認します。
さらに小麦粉が国内で製造されたことを確認できれば、対象原材料の表示部分は「小麦粉(国内製造)」と考えられます。小麦が国産という意味ではありません。配合によって卵や砂糖が重量1位になる商品では、原料原産地の対象も見直します。原料原産地表示の書き方
チョコレートやミックス粉は、商品名だけで判断しない
仕入れた材料が複数の原材料からできているときは、内訳、添加物、アレルゲンを調べます。少量のトッピングでも、表示に影響することがあります。味違いの商品で共通ラベルを使う前に、何が追加・変更されたかを照合してください。
複合原材料の内訳と省略条件は原材料名の書き方、添加物の名称・用途・表示免除は食品添加物の表示方法で確認できます。原材料と添加物は、それぞれの中で重量順に整理します。
アレルゲンは、いつもの材料以外も確認する
卵・乳・小麦に注意するだけで確認は終わりません。ナッツ、果実、チョコレート、油脂、膨張剤など、使うものを一つずつ確認します。仕入規格書の改訂日と、現在の表示対象品目も照合してください。
表示は個別表示が原則です。個別表示になじまない場合などに使う一括表示では、原材料名から分かるものも含めて対象をまとめるなど、別の注意点があります。写真に同じ原材料名があるだけで、自社商品のアレルギー表示を完成させないでください。
同じ厨房でナッツ入りとナッツなしを作る場合は、意図しない混入を防ぐ管理も必要です。混入への注意喚起と、原材料として含む旨の表示は役割が違います。厨房の共用だけを理由に、すべての商品へ同じアレルゲンを並べないでください。
内容量は、売る袋・箱の中身に合わせる
内容量は、重量や数量などの単位を明記します。ただし、計量法の特定商品にはその規定が適用されるため、菓子なら自由に個数だけでよい、と一括りにはできません。自社食品の区分と販売方法を確認します。
実物ラスクの「2枚入×13袋(26枚)」は、この販売単位の中身を示しています。自社で袋数や詰める枚数を変えるときは、内容量欄も対応させます。焼成前の生地重量や、栄養計算に使う食品単位と混同しないようにしましょう。
詰め合わせは、食品ごとの情報と外箱の表示を考える
それぞれ独立したクッキー、マドレーヌなどを単に詰め合わせる場合は、原則として、それぞれの食品の表示事項を外装に表示します。別々の菓子の原材料を、箱全体の一つの配合表のように混ぜて並べるのではありません。
| 項目 | 確認の仕方 |
|---|---|
| 原材料名 | 食品A、食品Bのように、それぞれの食品と情報の対応を明確にする |
| 添加物 | 食品ごとの表示を基本に、Q&Aで認められたまとめ方を使う場合はその条件を確認する |
| 内容量 | 各食品の量が分かる書き方にする |
| 期限・保存方法 | 各食品の根拠と条件を確かめ、外箱の表示との対応を確認する |
| 製造所 | 製造する場所が異なる場合は、それぞれの食品との対応も確認する |
| 栄養成分 | 独立した食品ごとの表示を基本に、適用する省略条件も確認する |
内側の個包装に適切な表示があり、外から容易に読める場合は、同じ表示を外装に重ねて行う必要がない場合があります。また、既に個々の食品に表示がある商品を、客の注文に応じて箱詰めする場合の扱いもQ&Aに示されています。あらかじめ作って売るギフト箱と区別してください。
小袋を単独でも販売するなら、その販売形態で必要な表示を小袋に用意します。箱にしか情報がない商品を、表示を確かめずにばら売りしないでください。ギフト用を作る段階で、単品販売も行うか決めておくと整理しやすくなります。
期限と栄養値は、配合表を写すだけでは決まらない
「焼き菓子なら賞味期限は一律○日」とは決められません。配合、焼成後の工程、包装、保存・配送条件を前提に、期限の根拠を作ります。未開封で指定の保存方法を守ることが期限の前提です。賞味期限・消費期限の決め方
栄養成分表示は、小規模事業者の条件だけでなく、販売する相手や栄養をアピールする表現でも確認が必要です。必要性は栄養成分表示の義務・省略条件で確認し、数値を求める場合は栄養成分表示の計算方法へ進みます。
栄養値を計算するときは、焼成で水分が減った後の出来上がり重量が重要になります。先ほどの架空配合の合計重量を、そのまま焼き上がり重量として使うことはできません。1個当たりにするなら、製品の1個分の量も確認します。
自店販売・シェアキッチン・委託製造は、同じ扱いにしない
製造者と販売者が同一で、同じ施設内または敷地内で売る場合には、原材料名や栄養成分など、表示を要しない項目があります。ただし、包装した食品の名称、必要な添加物・アレルゲン、期限などまで一律に不要になるわけではありません。
シェアキッチンで作って別会場で売る場合や、外部工場へ製造を委託する場合は、製造した場所と販売主体を分けて整理します。屋号だけでは表示責任者・製造所の情報を満たせません。販売者・製造者・加工者の表示で、実際の関係に合う書き方を確認してください。
試し刷りは、実際の商品に貼って確認する
画面で読めても、袋の折り目やシールの継ぎ目に文字がかかることがあります。食品を入れた状態で、開封せず読めるか、背景との対比や文字サイズが適切かを確かめてください。文字は原則8ポイント以上で、表示可能面積がおおむね150cm²以下の場合は5.5ポイント以上とできる規定があります。
焼き菓子ラベル・出荷前チェック
味違い・袋数違い・詰め合わせごとに、商品と表示が一致するか確認します。
内容の照合
- 配合表と規格書が、この味・このロットに対応している
- 原材料・添加物・アレルゲン・原料原産地を確認した
- 袋や箱の中身と、内容量の表示が一致している
- 期限・保存方法が設定根拠と一致している
- 表示責任者・製造所・栄養成分の必要情報を確認した
貼付と販売
- 詰め合わせと単品、それぞれの販売形態で表示を確認した
- 別の味のラベルが混ざっていない
- 日付の印字位置・かすれ・読みやすさを確認した
- 表示案の版・確認日・確認者を記録した
最初のひな形が必要なら食品表示ラベルのテンプレートへ。テンプレートの例文や他社の実物を完成品として使わず、ここでそろえた自社商品の情報に置き換えてください。
参照した公的資料
関連キーワード
焼き菓子 食品表示 / クッキー 食品表示 ラベル / 焼き菓子 原材料 表示 / 菓子 詰め合わせ 食品表示
