焼き菓子の食品表示|単品・詰め合わせのラベルの書き方

クッキーやマドレーヌのラベルを作るなら、味ごとの配合と売る単位を先に決めます。実物ラスクの表示を見ながら、原材料・期限・詰め合わせの確認点を整理します。

執筆:もぐもぐ

焼き菓子のラベルを作るときは、味ごとの配合と、何を一つの商品として売るかを先に決めます。クッキー1袋と、数種類を入れたギフト箱では、情報のまとめ方が変わります。まず実物で欄の役割をつかみ、自分の商品の資料に置き換えていきましょう。

実物ラスクで、原材料・内容量・期限欄を見る

グーテ・デ・ロワ R6の表示には、名称として「ラスク」、原材料名の先頭に「小麦粉(国内製造)」とあります。内容量は、1袋に入る枚数と袋数の両方が書かれています。

画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)
グーテ・デ・ロワ R6/撮影日:2026年5月31日。登録済みの表示写真を、文字を変更せず回転・切り出して掲載。登録時点の表示で、現在の現物とは異なる場合があります。
写真のうち、この記事で確認する表示の書き起こし
名称
写真で読める内容
ラスク
原材料名
写真で読める内容
小麦粉(国内製造)、バター、砂糖、イースト、食塩/ビタミンC
内容量
写真で読める内容
2枚入×13袋(26枚)
賞味期限
写真で読める内容
枠外右に記載
写真で読める内容
名称ラスク
原材料名小麦粉(国内製造)、バター、砂糖、イースト、食塩/ビタミンC
内容量2枚入×13袋(26枚)
賞味期限枠外右に記載

「国内製造」は小麦粉の製造地を示す部分です。「/」は原材料と添加物の区切りとして使われています。この写真から配合量、ビタミンCの使用目的、期限の設定根拠を推測することはできません。グーテ・デ・ロワ R6の登録画像を見る

ラベルを書き始める前に、商品ごとの資料をそろえる

同じ工房で作る菓子でも、バターを替えたり、チョコレートを加えたりすると表示が変わることがあります。共通のひな形は使えても、中身の確認は商品ごとに行います。

手元に置くもの

  • 味ごとの配合表と、製造時に使用する重量
  • ミックス粉、チョコレート、油脂などの最新規格書
  • 原料原産地・添加物・アレルゲンの確認情報
  • 1袋・1箱に入れる種類、個数、重量と包材
  • 期限設定の根拠と保存条件
  • 表示責任者・製造所の情報、必要な栄養成分表示の資料

必要項目を、資料と対応させる

商品名をデザインする作業と、食品の内容を表示する作業を分けます。例えばブランド独自の呼び名しか書いていない場合は、内容を表す一般的な名称も確認します。

焼き菓子の表示を作るときの基本確認
項目
名称
自分の商品で確認すること
焼菓子、クッキーなど、実際の内容を表す一般的な名称
項目
原材料名・添加物
自分の商品で確認すること
配合表と規格書を照合し、それぞれの重量順と区分を決める
項目
原料原産地
自分の商品で確認すること
対象原材料の産地または製造地を資料で確認する
項目
アレルゲン
自分の商品で確認すること
直接の原料だけでなく、複合原材料や添加物の由来も確認する
項目
内容量
自分の商品で確認すること
販売する1袋・1箱の数量や重量。食品区分に応じ計量法の規定も確認する
項目
期限・保存方法
自分の商品で確認すること
自社の製造・包装・保存条件を前提に決めたもの
項目
責任者・製造所
自分の商品で確認すること
責任を負う事業者と実際に製造する場所の関係
項目
栄養成分
自分の商品で確認すること
省略条件の適用を確認し、表示する場合は基本5項目と食品単位をそろえる
項目自分の商品で確認すること
名称焼菓子、クッキーなど、実際の内容を表す一般的な名称
原材料名・添加物配合表と規格書を照合し、それぞれの重量順と区分を決める
原料原産地対象原材料の産地または製造地を資料で確認する
アレルゲン直接の原料だけでなく、複合原材料や添加物の由来も確認する
内容量販売する1袋・1箱の数量や重量。食品区分に応じ計量法の規定も確認する
期限・保存方法自社の製造・包装・保存条件を前提に決めたもの
責任者・製造所責任を負う事業者と実際に製造する場所の関係
栄養成分省略条件の適用を確認し、表示する場合は基本5項目と食品単位をそろえる

ここでは基本項目を整理しています。使う原材料や商品の特徴による追加表示、販売形態による省略の条件も別に確認します。

表示事項・方式:食品表示基準第3条、第4条、第8条(新しいタブで開きます)東京都・一般用加工食品の概要(新しいタブで開きます)

架空の配合例で、原材料の順番を組み立てる

次は書き方を考えるための架空例です。小麦粉300g、バター160g、砂糖140g、卵80gを使用すると仮定します。焼き上がり重量や栄養価、保存日数を示す例ではなく、実物ラスクのレシピでもありません。

製造時に使用する重量を並べた架空例

表は横にスクロールして読めます。

原材料使用重量表示前に確認する情報
小麦粉300g正式な名称、製造地、小麦の情報
バター160g仕入品の規格と乳の情報
砂糖140g仕入品の名称・内訳
80g使用する可食部の重量と卵の情報

この配合では、小麦粉、バター、砂糖、卵の順です。レシピで先にボウルへ入れる順でも、焼成後の重さを想像した順でもありません。原材料の表示名称や複合原材料の内訳は、規格書に戻って確認します。

さらに小麦粉が国内で製造されたことを確認できれば、対象原材料の表示部分は「小麦粉(国内製造)」と考えられます。小麦が国産という意味ではありません。配合によって卵や砂糖が重量1位になる商品では、原料原産地の対象も見直します。原料原産地表示の書き方

チョコレートやミックス粉は、商品名だけで判断しない

仕入れた材料が複数の原材料からできているときは、内訳、添加物、アレルゲンを調べます。少量のトッピングでも、表示に影響することがあります。味違いの商品で共通ラベルを使う前に、何が追加・変更されたかを照合してください。

複合原材料の内訳と省略条件は原材料名の書き方、添加物の名称・用途・表示免除は食品添加物の表示方法で確認できます。原材料と添加物は、それぞれの中で重量順に整理します。

アレルゲンは、いつもの材料以外も確認する

卵・乳・小麦に注意するだけで確認は終わりません。ナッツ、果実、チョコレート、油脂、膨張剤など、使うものを一つずつ確認します。仕入規格書の改訂日と、現在の表示対象品目も照合してください。

表示は個別表示が原則です。個別表示になじまない場合などに使う一括表示では、原材料名から分かるものも含めて対象をまとめるなど、別の注意点があります。写真に同じ原材料名があるだけで、自社商品のアレルギー表示を完成させないでください。

表示方法:消費者庁ハンドブック8〜12頁(新しいタブで開きます)アレルギー表示の書き方

同じ厨房でナッツ入りとナッツなしを作る場合は、意図しない混入を防ぐ管理も必要です。混入への注意喚起と、原材料として含む旨の表示は役割が違います。厨房の共用だけを理由に、すべての商品へ同じアレルゲンを並べないでください。

内容量は、売る袋・箱の中身に合わせる

内容量は、重量や数量などの単位を明記します。ただし、計量法の特定商品にはその規定が適用されるため、菓子なら自由に個数だけでよい、と一括りにはできません。自社食品の区分と販売方法を確認します。

内容量の表示と計量法:東京都(新しいタブで開きます)

実物ラスクの「2枚入×13袋(26枚)」は、この販売単位の中身を示しています。自社で袋数や詰める枚数を変えるときは、内容量欄も対応させます。焼成前の生地重量や、栄養計算に使う食品単位と混同しないようにしましょう。

詰め合わせは、食品ごとの情報と外箱の表示を考える

それぞれ独立したクッキー、マドレーヌなどを単に詰め合わせる場合は、原則として、それぞれの食品の表示事項を外装に表示します。別々の菓子の原材料を、箱全体の一つの配合表のように混ぜて並べるのではありません。

詰め合わせ:食品表示基準Q&A・加工-241〜243(新しいタブで開きます)

詰め合わせを作るときに分けて確認
項目確認の仕方
原材料名食品A、食品Bのように、それぞれの食品と情報の対応を明確にする
添加物食品ごとの表示を基本に、Q&Aで認められたまとめ方を使う場合はその条件を確認する
内容量各食品の量が分かる書き方にする
期限・保存方法各食品の根拠と条件を確かめ、外箱の表示との対応を確認する
製造所製造する場所が異なる場合は、それぞれの食品との対応も確認する
栄養成分独立した食品ごとの表示を基本に、適用する省略条件も確認する

内側の個包装に適切な表示があり、外から容易に読める場合は、同じ表示を外装に重ねて行う必要がない場合があります。また、既に個々の食品に表示がある商品を、客の注文に応じて箱詰めする場合の扱いもQ&Aに示されています。あらかじめ作って売るギフト箱と区別してください。

外装と内装の関係:加工-241(新しいタブで開きます)

小袋を単独でも販売するなら、その販売形態で必要な表示を小袋に用意します。箱にしか情報がない商品を、表示を確かめずにばら売りしないでください。ギフト用を作る段階で、単品販売も行うか決めておくと整理しやすくなります。

期限と栄養値は、配合表を写すだけでは決まらない

「焼き菓子なら賞味期限は一律○日」とは決められません。配合、焼成後の工程、包装、保存・配送条件を前提に、期限の根拠を作ります。未開封で指定の保存方法を守ることが期限の前提です。賞味期限・消費期限の決め方

栄養成分表示は、小規模事業者の条件だけでなく、販売する相手や栄養をアピールする表現でも確認が必要です。必要性は栄養成分表示の義務・省略条件で確認し、数値を求める場合は栄養成分表示の計算方法へ進みます。

栄養値を計算するときは、焼成で水分が減った後の出来上がり重量が重要になります。先ほどの架空配合の合計重量を、そのまま焼き上がり重量として使うことはできません。1個当たりにするなら、製品の1個分の量も確認します。

自店販売・シェアキッチン・委託製造は、同じ扱いにしない

製造者と販売者が同一で、同じ施設内または敷地内で売る場合には、原材料名や栄養成分など、表示を要しない項目があります。ただし、包装した食品の名称、必要な添加物・アレルゲン、期限などまで一律に不要になるわけではありません。

義務表示の特例:食品表示基準第5条(新しいタブで開きます)東京都の整理(新しいタブで開きます)

シェアキッチンで作って別会場で売る場合や、外部工場へ製造を委託する場合は、製造した場所と販売主体を分けて整理します。屋号だけでは表示責任者・製造所の情報を満たせません。販売者・製造者・加工者の表示で、実際の関係に合う書き方を確認してください。

試し刷りは、実際の商品に貼って確認する

画面で読めても、袋の折り目やシールの継ぎ目に文字がかかることがあります。食品を入れた状態で、開封せず読めるか、背景との対比や文字サイズが適切かを確かめてください。文字は原則8ポイント以上で、表示可能面積がおおむね150cm²以下の場合は5.5ポイント以上とできる規定があります。

表示の方式:食品表示基準第8条(新しいタブで開きます)

焼き菓子ラベル・出荷前チェック

味違い・袋数違い・詰め合わせごとに、商品と表示が一致するか確認します。

内容の照合

  • 配合表と規格書が、この味・このロットに対応している
  • 原材料・添加物・アレルゲン・原料原産地を確認した
  • 袋や箱の中身と、内容量の表示が一致している
  • 期限・保存方法が設定根拠と一致している
  • 表示責任者・製造所・栄養成分の必要情報を確認した

貼付と販売

  • 詰め合わせと単品、それぞれの販売形態で表示を確認した
  • 別の味のラベルが混ざっていない
  • 日付の印字位置・かすれ・読みやすさを確認した
  • 表示案の版・確認日・確認者を記録した

最初のひな形が必要なら食品表示ラベルのテンプレートへ。テンプレートの例文や他社の実物を完成品として使わず、ここでそろえた自社商品の情報に置き換えてください。

参照した公的資料

制度確認日:2026年9月6日。

食品表示基準(新しいタブで開きます)消費者庁・食品表示基準Q&A(加工食品)(新しいタブで開きます)食物アレルギー表示ハンドブック(新しいタブで開きます)東京都・一般用加工食品の概要(新しいタブで開きます)

関連キーワード

焼き菓子 食品表示 / クッキー 食品表示 ラベル / 焼き菓子 原材料 表示 / 菓子 詰め合わせ 食品表示