原料原産地表示の書き方|国産・国内製造をどう使い分ける?
原料の産地をどこまで書く? 配合表で対象を確かめ、規格書の産地・製造地情報から表示を組み立てる手順を、実物ラベルで解説します。
執筆:もぐもぐ
原料原産地表示は、配合表で表示対象の原材料を決め、その原材料の産地または製造地を、規格書などの資料で確かめて書きます。 仕入先の住所だけでは分からない情報です。まず「国産」と「国内製造」の違いを、実物で見てみましょう。
「小麦粉(国内製造)」から分かること
ピザパンの原材料名欄には、先頭に「小麦粉(国内製造)」とあります。括弧の中が説明しているのは、小麦粉を製造した場所です。
横にスクロールして、表示の細部を確認できます。
画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)小麦粉が国内で製造された表示であり、原料の小麦が国産という意味ではありません。自社商品でも、小麦粉の製造地と小麦の産地を分けて調べます。
最初に、産地を書く原材料を決める
国内で製造する一般用加工食品では、基本的に重量割合1位の原材料が対象です。ただし、22食品群・個別5品目には別の規定があります。「どの商品も先頭の一つだけ」とは決めず、自社食品の区分を先に確認してください。
- 確認すること
- 国内製造品か、輸入された完成品か
- 見る資料
- 製造・輸入の記録、商品の規格書
- 確認すること
- 食品別の原料原産地規定があるか
- 見る資料
- 食品表示基準の別表15と該当食品のQ&A
- 確認すること
- どの原材料が重量1位か
- 見る資料
- 配合表、製造時の使用重量、複合原材料の整理結果
- 確認すること
- 販売方法などによる例外があるか
- 見る資料
- 包装形態、製造場所と販売場所、表示可能面積
| 確認すること | 見る資料 |
|---|---|
| 国内製造品か、輸入された完成品か | 製造・輸入の記録、商品の規格書 |
| 食品別の原料原産地規定があるか | 食品表示基準の別表15と該当食品のQ&A |
| どの原材料が重量1位か | 配合表、製造時の使用重量、複合原材料の整理結果 |
| 販売方法などによる例外があるか | 包装形態、製造場所と販売場所、表示可能面積 |
水と添加物は、この原料原産地表示の対象から除きます。複合原材料を分割して表示する場合など、原材料名の組み方が変わったときも対象を見直します。
クッキーなら必ず小麦粉、と料理名だけで判断することはできません。卵や砂糖の割合が最も高い配合なら、対象も変わります。季節商品や味違いの商品は、同じシリーズでも配合表を分けて確認しましょう。
原材料の名称や重量順がまだ決まっていない場合は、先に原材料名の書き方で整理します。産地だけを先に埋めると、対象原材料を後で直すことになりかねません。
生鮮原材料なら産地、加工原材料なら製造地を確認する
対象になった原材料が、生鮮食品なのか加工食品なのかで基本の書き方が変わります。仕入先に聞くときも「産地はどこですか」だけでなく、何の産地・製造地を知りたいか伝えます。
表は横にスクロールして読めます。
| 対象原材料 | 部分例 | 確認したい情報 |
|---|---|---|
| 生鮮原材料の大豆 | 大豆(国産) | 使用した大豆の原産地 |
| 生鮮原材料の豚肉 | 豚肉(カナダ) | 使用した豚肉の原産国 |
| 加工原材料の小麦粉 | 小麦粉(国内製造) | 小麦粉の製造地 |
| 加工原材料のりんご果汁 | りんご果汁(ドイツ製造) | りんご果汁の製造地 |
国産の生鮮原材料では、認められた都道府県名等で表示できる場合もあります。農産物・畜産物・水産物で産地の考え方が違うため、具体的な地名を使うときはその区分のルールも確かめます。
加工原材料の、さらに元の原料の産地を書く場合
加工原材料に占める重量割合1位の生鮮原材料の原産地が分かる場合は、製造地表示に代えて、その生鮮原材料の名称と産地を表示できる場合があります。例えば、りんご果汁の製造地ではなく、原料りんごの産地を示す方法です。
何の産地かが分かるように書く必要があります。単に「国内製造」を「国産」へ置き換える方法ではありません。加工原材料の例外:食品表示基準第3条(新しいタブで開きます)
原材料の括弧内か、別の欄かを選ぶ
産地と対象原材料の対応が分かるように配置します。原材料名の直後に括弧を付ける方法のほか、原料原産地名欄を設ける方法もあります。
- 方法
- 原材料名の直後
- 部分例
- 原材料名:大豆(国産)、…
- 方法
- 原料原産地名欄
- 部分例
- 原材料名:大豆、…
原料原産地名:国産(大豆)
| 方法 | 部分例 |
|---|---|
| 原材料名の直後 | 原材料名:大豆(国産)、… |
| 原料原産地名欄 | 原材料名:大豆、… 原料原産地名:国産(大豆) |
欄外に書く場合も、具体的な表示箇所を示すなどの条件を確認します。内訳・産地・アレルゲンの括弧が続くときは、どの情報がどの原材料にかかるかを試し刷りで確かめてください。
産地が複数あるときは、国別の重量順が基本
対象原材料の産地が複数あるときは、その原材料の中で重量割合の高い産地から並べるのが原則です。3以上の産地がある場合は、高い順に2以上を表示し、残りを「その他」とできる規定もあります。
確認するのは、自社が使う原材料の産地別の割合です。仕入先が扱っている国の一覧や、去年購入したことがある国を、そのまま並べるわけではありません。納品ごとの産地情報と使用記録を対応させます。
「又は」「輸入」は、産地不明の代わりには使えない
国別重量順での表示が困難な場合には、一定の条件下で「又は表示」「大括り表示」などを使えます。仕入れが変わるから自由に使える、産地が不明だから「輸入」と書ける、という制度ではありません。
例外表示を使う前に確認すること
- 国別重量順で表示することが困難な事情と、使う表示方法の適用条件
- 根拠にする使用実績または使用計画の期間と、産地別の重量割合
- 使用実績順・使用計画順など、近くに必要な付記
- 又は表示で一定期間使用割合が5%未満の産地がある場合の記載
- 表示方法を説明できる資料の保管と、配合・調達変更時の確認
ここでいう5%は、対象原材料の産地ごとの一定期間の使用割合です。複合原材料の内訳を省略するときの5%とは、比べる範囲が違います。迷ったら、使いたい表示案と根拠記録を一緒に相談窓口へ示しましょう。
仕入先への確認事項をまとめる
規格書で不足する情報は、商品を特定して問い合わせます。回答の対象期間やロットも残しておくと、次回の仕入れ時に同じ表示が使えるか確かめやすくなります。
原料原産地の確認メモ
商品ごとにコピーし、分からない欄を仕入先へ確認してください。
対象の特定
- 自社商品名・配合表の版:
- 対象原材料名・仕入商品名・商品コード:
- 規格書の改訂日・対象ロット:
確認したい情報
- 原材料が生鮮食品か加工食品か:
- 原産地または製造地:
- 複数産地の場合の割合・変動・対象期間:
- 産地等の変更時に連絡を受ける方法:
- 回答者・確認日・根拠資料の保存先:
印刷前には、対象と根拠をもう一度照合する
配合表の先頭、規格書で確認した対象、ラベルに産地を付けた対象が一致しているか見ます。さらに、国産と国内製造の混同、複数産地の順番、必要な付記、保存した記録を点検します。レシピや仕入れを変えたときも、同じ確認をやり直してください。
原材料名欄全体の組み立ては原材料名の書き方、包装全体の必要項目は食品表示ラベルの作り方へ。実物ラベルは書く位置を学ぶ資料として使い、他社の産地情報を自社へ流用しないでください。
参照した公的資料
関連キーワード
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