原料原産地表示の書き方|国産・国内製造をどう使い分ける?

原料の産地をどこまで書く? 配合表で対象を確かめ、規格書の産地・製造地情報から表示を組み立てる手順を、実物ラベルで解説します。

執筆:もぐもぐ

原料原産地表示は、配合表で表示対象の原材料を決め、その原材料の産地または製造地を、規格書などの資料で確かめて書きます。 仕入先の住所だけでは分からない情報です。まず「国産」と「国内製造」の違いを、実物で見てみましょう。

「小麦粉(国内製造)」から分かること

ピザパンの原材料名欄には、先頭に「小麦粉(国内製造)」とあります。括弧の中が説明しているのは、小麦粉を製造した場所です。

画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)
ピザパン/撮影日:2026年8月29日。確認箇所は小麦粉に付く「国内製造」。登録時点の表示例で、現在の現物表示とは異なる場合があります。

小麦粉が国内で製造された表示であり、原料の小麦が国産という意味ではありません。自社商品でも、小麦粉の製造地と小麦の産地を分けて調べます。

加工原材料の製造地表示:東京都(新しいタブで開きます)ピザパンの登録画像を見る

最初に、産地を書く原材料を決める

国内で製造する一般用加工食品では、基本的に重量割合1位の原材料が対象です。ただし、22食品群・個別5品目には別の規定があります。「どの商品も先頭の一つだけ」とは決めず、自社食品の区分を先に確認してください。

対象と個別規定:農林水産省(新しいタブで開きます)

対象を決めるために見る資料
確認すること
国内製造品か、輸入された完成品か
見る資料
製造・輸入の記録、商品の規格書
確認すること
食品別の原料原産地規定があるか
見る資料
食品表示基準の別表15と該当食品のQ&A
確認すること
どの原材料が重量1位か
見る資料
配合表、製造時の使用重量、複合原材料の整理結果
確認すること
販売方法などによる例外があるか
見る資料
包装形態、製造場所と販売場所、表示可能面積
確認すること見る資料
国内製造品か、輸入された完成品か製造・輸入の記録、商品の規格書
食品別の原料原産地規定があるか食品表示基準の別表15と該当食品のQ&A
どの原材料が重量1位か配合表、製造時の使用重量、複合原材料の整理結果
販売方法などによる例外があるか包装形態、製造場所と販売場所、表示可能面積

水と添加物は、この原料原産地表示の対象から除きます。複合原材料を分割して表示する場合など、原材料名の組み方が変わったときも対象を見直します。

対象原材料の確認:消費者庁・原料原産地表示Q&A(新しいタブで開きます)

クッキーなら必ず小麦粉、と料理名だけで判断することはできません。卵や砂糖の割合が最も高い配合なら、対象も変わります。季節商品や味違いの商品は、同じシリーズでも配合表を分けて確認しましょう。

原材料の名称や重量順がまだ決まっていない場合は、先に原材料名の書き方で整理します。産地だけを先に埋めると、対象原材料を後で直すことになりかねません。

生鮮原材料なら産地、加工原材料なら製造地を確認する

対象になった原材料が、生鮮食品なのか加工食品なのかで基本の書き方が変わります。仕入先に聞くときも「産地はどこですか」だけでなく、何の産地・製造地を知りたいか伝えます。

情報を確認できた場合の部分例(架空例)

表は横にスクロールして読めます。

対象原材料部分例確認したい情報
生鮮原材料の大豆大豆(国産)使用した大豆の原産地
生鮮原材料の豚肉豚肉(カナダ)使用した豚肉の原産国
加工原材料の小麦粉小麦粉(国内製造)小麦粉の製造地
加工原材料のりんご果汁りんご果汁(ドイツ製造)りんご果汁の製造地

国産の生鮮原材料では、認められた都道府県名等で表示できる場合もあります。農産物・畜産物・水産物で産地の考え方が違うため、具体的な地名を使うときはその区分のルールも確かめます。

産地・製造地の表示方法:東京都(新しいタブで開きます)

加工原材料の、さらに元の原料の産地を書く場合

加工原材料に占める重量割合1位の生鮮原材料の原産地が分かる場合は、製造地表示に代えて、その生鮮原材料の名称と産地を表示できる場合があります。例えば、りんご果汁の製造地ではなく、原料りんごの産地を示す方法です。

何の産地かが分かるように書く必要があります。単に「国内製造」を「国産」へ置き換える方法ではありません。加工原材料の例外:食品表示基準第3条(新しいタブで開きます)

原材料の括弧内か、別の欄かを選ぶ

産地と対象原材料の対応が分かるように配置します。原材料名の直後に括弧を付ける方法のほか、原料原産地名欄を設ける方法もあります。

同じ情報を別の位置に書く部分例(架空例)
方法
原材料名の直後
部分例
原材料名:大豆(国産)、…
方法
原料原産地名欄
部分例
原材料名:大豆、…
原料原産地名:国産(大豆)
方法部分例
原材料名の直後原材料名:大豆(国産)、…
原料原産地名欄原材料名:大豆、…
原料原産地名:国産(大豆)

欄外に書く場合も、具体的な表示箇所を示すなどの条件を確認します。内訳・産地・アレルゲンの括弧が続くときは、どの情報がどの原材料にかかるかを試し刷りで確かめてください。

欄内・欄外の表示方法:東京都(新しいタブで開きます)

産地が複数あるときは、国別の重量順が基本

対象原材料の産地が複数あるときは、その原材料の中で重量割合の高い産地から並べるのが原則です。3以上の産地がある場合は、高い順に2以上を表示し、残りを「その他」とできる規定もあります。

複数産地の表示:食品表示基準第3条(新しいタブで開きます)

確認するのは、自社が使う原材料の産地別の割合です。仕入先が扱っている国の一覧や、去年購入したことがある国を、そのまま並べるわけではありません。納品ごとの産地情報と使用記録を対応させます。

「又は」「輸入」は、産地不明の代わりには使えない

国別重量順での表示が困難な場合には、一定の条件下で「又は表示」「大括り表示」などを使えます。仕入れが変わるから自由に使える、産地が不明だから「輸入」と書ける、という制度ではありません。

例外表示の要件:東京都(新しいタブで開きます)

例外表示を使う前に確認すること

  • 国別重量順で表示することが困難な事情と、使う表示方法の適用条件
  • 根拠にする使用実績または使用計画の期間と、産地別の重量割合
  • 使用実績順・使用計画順など、近くに必要な付記
  • 又は表示で一定期間使用割合が5%未満の産地がある場合の記載
  • 表示方法を説明できる資料の保管と、配合・調達変更時の確認

ここでいう5%は、対象原材料の産地ごとの一定期間の使用割合です。複合原材料の内訳を省略するときの5%とは、比べる範囲が違います。迷ったら、使いたい表示案と根拠記録を一緒に相談窓口へ示しましょう。

仕入先への確認事項をまとめる

規格書で不足する情報は、商品を特定して問い合わせます。回答の対象期間やロットも残しておくと、次回の仕入れ時に同じ表示が使えるか確かめやすくなります。

原料原産地の確認メモ

商品ごとにコピーし、分からない欄を仕入先へ確認してください。

対象の特定

  • 自社商品名・配合表の版:
  • 対象原材料名・仕入商品名・商品コード:
  • 規格書の改訂日・対象ロット:

確認したい情報

  • 原材料が生鮮食品か加工食品か:
  • 原産地または製造地:
  • 複数産地の場合の割合・変動・対象期間:
  • 産地等の変更時に連絡を受ける方法:
  • 回答者・確認日・根拠資料の保存先:

印刷前には、対象と根拠をもう一度照合する

配合表の先頭、規格書で確認した対象、ラベルに産地を付けた対象が一致しているか見ます。さらに、国産と国内製造の混同、複数産地の順番、必要な付記、保存した記録を点検します。レシピや仕入れを変えたときも、同じ確認をやり直してください。

原材料名欄全体の組み立ては原材料名の書き方、包装全体の必要項目は食品表示ラベルの作り方へ。実物ラベルは書く位置を学ぶ資料として使い、他社の産地情報を自社へ流用しないでください。

参照した公的資料

制度確認日:2026年9月6日。

食品表示基準(新しいタブで開きます)消費者庁・原料原産地表示Q&A(新しいタブで開きます)東京都・原料原産地名の表示(新しいタブで開きます)農林水産省・制度と事業者向けマニュアル(新しいタブで開きます)

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