食品添加物の表示方法|規格書から名称と順番を整理する

食品添加物は商品名をそのまま写すのではなく、中身・用途・量を確認して表示します。物質名、用途名、一括名の選び方と、省略前の確認を解説します。

執筆:もぐもぐ

添加物の表示を作るときは、何が、何の目的で、どれだけ入るのかを先に整理します。直接使う添加物だけでなく、チョコレートやソースなど仕入商品の中に含まれるものも、最新の規格書で確かめます。

規格書から、表示に必要な情報を取り出す

レシピに「ミックス粉」「調味液」としか書いていなくても、中には複数の原材料や添加物が含まれていることがあります。仕入商品の表示だけで分からない配合・用途は、仕入先に確認してください。

商品名だけで終わらせない確認項目
確認する情報
物質名と製剤の組成
使う場面
食品原料と添加物を分け、表示名称を選ぶ
確認する情報
各添加物の用途
使う場面
用途名併記・一括名の適用を確かめる
確認する情報
使用量・製剤中の割合
使う場面
最終食品の添加物の重量順を整理する
確認する情報
添加物に由来するアレルゲン
使う場面
名称を省略する場合も含め、アレルギー表示を確認する
確認する情報
製造工程、残存量、最終食品での効果
使う場面
加工助剤・キャリーオーバーの条件を検討する
確認する情報使う場面
物質名と製剤の組成食品原料と添加物を分け、表示名称を選ぶ
各添加物の用途用途名併記・一括名の適用を確かめる
使用量・製剤中の割合最終食品の添加物の重量順を整理する
添加物に由来するアレルゲン名称を省略する場合も含め、アレルギー表示を確認する
製造工程、残存量、最終食品での効果加工助剤・キャリーオーバーの条件を検討する

必要な情報が分からないときは、順番や省略を推測して埋めないでください。表示案に未確認箇所を残し、商品コード・ロット・使用量を伝えて照会します。

物質名・用途名・一括名は、役割が違う

基本は物質名による表示です。認められた簡略名や類別名に置き換えられるもの、用途名の併記が必要なもの、一括名で表示できるものを区別します。

食品表示基準第3条、別表6・7(新しいタブで開きます)通知別添・添加物関係(新しいタブで開きます)

名称の選び方(表示部分の例)

表は横にスクロールして読めます。

表示方法確認すること
物質名・認められた簡略名炭酸水素Na、重曹その物質に認められた名称か
用途名と物質名を併記酸化防止剤(ビタミンC)実際の使用目的が該当するか
一括名で表示乳化剤、酸味料、膨張剤一括名の定義と対象物質の範囲に入るか

ここでいう表示名称は、添加物製剤のブランド名や社内で呼んでいる名前とは限りません。同じ物質でも、使う目的により確認する表示方法が変わります。

用途名の併記が必要な8用途

次の用途として使用する添加物には、物質名に加えて用途を示す表示が必要です。例えば保存料なら、原則として「保存料」だけではなく、括弧内に使用した物質名も書きます。

食品表示基準・別表6の用途
用途表示に使う用途名
甘味を付ける甘味料
着色する着色料
保存する保存料
とろみ・安定・ゲル化等増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料
酸化を防ぐ酸化防止剤
発色させる発色剤
漂白する漂白剤
かびを防ぐ防かび剤、防ばい剤

物質名に「色」の文字を含む場合の着色料など、用途の表示を省略できる規定もあります。「用途名は必ず同じ形式で付く」と決めず、該当する物質と規定を確認します。

用途名と省略条件:食品表示基準第3条(新しいタブで開きます)

一括名は、定められた範囲で使う

別表7には、乳化剤、香料、酸味料、膨張剤、調味料などの一括名が定められています。同じ目的の物質なら何でもまとめられるわけではありません。通知の「添加物1-4」で、一括名の定義と使用できる添加物の範囲を照合してください。

一括名の範囲:通知別添(新しいタブで開きます)

「調味料(アミノ酸等)」の「等」も、分からない中身を省略する記号ではありません。調味料の成分の分類と主な構成に応じた表記です。読み方は調味料(アミノ酸等)の解説でも確認できます。

原材料とは別の重量順に並べる

添加物は添加物の中で、重量割合の高い順に整理します。原材料と合わせた一つの順位表にはしません。製剤を使った場合は、製剤全体の重量だけでなく、表示対象の各添加物の量を確認します。

添加物の重量順:食品表示基準第3条(新しいタブで開きます)

複合原材料に含まれる表示対象の添加物は、通常、その内訳の括弧内に残さず、ほかの添加物とまとめて区分表示します。同じ添加物が複数の仕入原料から入る場合も、情報を集めて整理してください。

複合原材料中の添加物:加工-74(新しいタブで開きます)

実物では「/」の前後を確認する

名代そうめんつゆでは「乾しいたけ/調味料(アミノ酸等)、酸味料」と続きます。乾しいたけまでが原材料、スラッシュの後ろが添加物として区分されています。

名代そうめんつゆの実物表示。乾しいたけの後ろのスラッシュに続いて調味料(アミノ酸等)、酸味料と書かれている
画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)
名代そうめんつゆ/撮影日:2026年8月24日。原材料と添加物の区切りを確認する実例です。登録時点の表示で、現在の現物とは異なる場合があります。

この写真で分かるのは、表示されている名称と区切り方です。一括名の中の物質や量、表示免除となったものの有無までは読み取れません。名代そうめんつゆの登録画像を見る

区分が明確であれば、スラッシュのほかに、意図した改行や「添加物」欄を分ける方法もあります。自動折り返しで偶然改行された箇所を、区分の代わりにしないようにしましょう。

区分方法:加工-73・248(新しいタブで開きます)

表示を省略する前に、使い方と最終食品を確認する

加工助剤やキャリーオーバーの免除は、添加物の名前だけで決まりません。少量である、加熱する、仕入原料に入っていた、という理由の一つだけでは判断できません。

表示免除を検討する際の条件
区分
加工助剤
確認する条件
完成前に除去される、原材料に由来して食品に通常含まれる成分と同じ成分へ変わり量を明らかに増やさない、または最終食品中の量が少なく食品に影響しない、という規定のいずれかに当てはまるか
区分
キャリーオーバー
確認する条件
原材料の製造・加工で使われ、自社の最終食品の製造・加工では使われず、最終食品中では効果を発揮できる量より少ないか

仕入先の「キャリーオーバー」という説明も、自社での配合・工程・用途に当てはめて確認します。必要なら根拠となる量や効果について問い合わせ、回答を保管してください。

免除の定義:食品表示基準第3条(新しいタブで開きます)東京都の解説(新しいタブで開きます)

添加物名を省略できる場合も、必要なアレルギー表示まで不要になるわけではありません。由来する特定原材料の情報は別に確認し、アレルギー表示の書き方と照合します。

栄養強化目的の免除は、2025年に改正された

2025年3月28日の改正で、栄養強化目的の添加物の表示免除規定は削除されました。現在の原則は表示が必要です。「加工助剤・キャリーオーバー・栄養強化なら省略できる」という古い説明を、そのまま使わないでください。

消費者庁・改正概要(新しいタブで開きます)

経過措置として、2030年3月31日までに製造・加工・輸入される一般用加工食品等には、改正前の規定による表示が認められています。旧規定にも食品等による条件があるため、経過措置を使う場合は自社商品の適用関係を確かめます。経過措置の対象:福岡市(新しいタブで開きます)

表示案と一緒に、判断の記録を残す

添加物表示の確認メモ

原材料規格書と表示案を並べて確認するためのメモです。

名称・順番・区分

  • 規格書の改訂日と仕入商品コード:
  • 物質名・用途・使用量の確認:
  • 採用した表示名称と根拠:
  • 複数原料に含まれる添加物の集計:
  • 原材料と区分した印刷案の確認:

省略等の確認

  • 表示免除を使うものと成立する根拠:
  • 経過措置を使う場合の適用条件:
  • 添加物由来のアレルゲン:
  • 確認日・担当者・資料保存先:

ラベルに添加物名がないことと、添加物を使っていないことは同じではありません。「無添加」「不使用」と書く場合は、無添加・不使用表示の解説も確認してください。

添加物の情報がそろったら、原材料名の書き方に戻り、原材料・原産地・アレルゲンを含めた欄全体を仕上げます。表示名称が合っていても、使用基準に適合するかどうかの確認を省けるわけではありません。

参照した公的資料

制度確認日:2026年9月6日。

食品表示基準(新しいタブで開きます)消費者庁・通知別添添加物関係(新しいタブで開きます)食品表示基準Q&A・加工食品(新しいタブで開きます)東京都・加工食品の添加物表示(新しいタブで開きます)

関連キーワード

食品添加物 表示方法 / 添加物 表示 書き方 / 用途名 一括名 / キャリーオーバー 表示 / 栄養強化 添加物 表示