食品をネット販売するには?必要な手続と商品ページの表示
食品のネット販売では、製造・販売の手続に加え、届く商品と購入前の情報をそろえる必要があります。包装に付けるラベル、ネットの商品情報、送料や返品条件を分けて、出品前の準備を説明します。
執筆:もぐもぐ
食品をネットで売るときは、「食品を作る・扱うための手続」と「買う人へ伝える情報」を分けて準備します。 実店舗を持たないことを理由に、製造や小分けの手続を省けるわけではありません。
また、商品ページに原材料を書いても、届く商品の包装に必要な表示の代わりにはなりません。ラベル、商品情報、取引条件の3つをそろえましょう。
制度情報の最終確認日:2026年9月6日。主に、日本国内の一般消費者へ包装した加工食品を通信販売する事業者向けです。酒類、輸入・輸出、機能性等の特別な訴求に必要な手続を網羅するものではありません。
通販では、3か所の情報を用意する
商品に付けるラベル
容器包装に必要な食品表示。原材料、アレルゲン、期限、保存方法などを、商品と販売形態に合うルールで表示します。
購入前の商品情報
買う人が中身や保存方法を確かめる情報。消費者庁のガイドを参考に、写真だけでなく読みやすい文字でも伝えます。
価格や取引条件
特定商取引法上の表示。販売価格、送料、支払・引渡時期、返品条件、事業者情報などを用意します。
容器包装の表示は食品表示基準(新しいタブで開きます)、商品情報の提供は消費者庁の通販ガイドブック(新しいタブで開きます)、取引条件等は特定商取引法の通販ルール(新しいタブで開きます)を参照します。通販ガイドの提供例を、すべて法的な表示義務として説明するものではありません。
食品を作るのか、仕入れて売るのかを決める
通信販売という売り方を始めること自体と、扱う食品に必要な許可は別です。消費者庁も、商品によっては店舗販売と同じように許認可が必要になると案内しています。
まず、自分で製造するのか、仕入れた完成品を未開封で売るのか、開封して小分け・再包装するのかを分けます。作業をする場所と保管場所も書き出してください。
- 自分で製造する:商品・工程・包装・保存温度に合う営業許可や届出、施設と衛生管理を準備する。
- 未開封で仕入販売する:食品の種類と保存条件から販売業の区分を確認する。包装されていれば、すべて届出対象外になるわけではない。
- 開封・小分け等をする:仕入先の手続とは別に、自分の作業の許可・届出、期限、食品表示を確認する。
厚生労働省の営業許可・届出の案内(新しいタブで開きます)と消費者庁の通販ルール(新しいタブで開きます)が根拠資料です。許可不要と届出不要の違いは、営業許可がいらない食品の記事で説明しています。
自宅、店舗の厨房、シェアキッチン、委託製造のどれを使う場合も、実際の作業と営業形態を保健所へ伝えます。これから製造販売を始める方は、8つの準備から確認してください。
ネットショップ側の審査で許可証等を提出しても、保健所への手続や食品表示の確認を代行してもらったことにはなりません。
商品ページを作る前に、包装ラベルを確かめる
商品ページの元になるのは、自分が売る商品の最新情報です。完成したラベルに加えて、商品規格書、内容量、包装仕様、保存・配送条件をそろえます。
次の写真は、表示形式を見るための登録済み実物例です。この商品が通販に対応していることや、配送条件が確認されていることを示すものではありません。

写真では「内容量220g」「要冷蔵(10℃以下)」と、年月日で示された消費期限が読めます。販売者と加工者も別々の行に書かれています。
商品ページを作るときも、何がどれだけ届くか、どう保存するかを購入前に読めるようにします。ただし、写真に写った過去の期限を、新たに販売する商品の期限として転記してはいけません。
この商品のラベル全体を商品ページで見る。写真からは製造工程、期限の設定根拠、配送できる日数までは分かりません。
包装した一般用加工食品では、名称、原材料・添加物、アレルゲン、内容量、期限、保存方法、表示責任者・製造所、栄養成分等を、該当する規定に沿って確認します。食品や販売形態による個別事項・省略条件もあります。
消費者庁の食品表示基準・関係資料(新しいタブで開きます)を確認し、作成手順は食品表示ラベルの作り方へ進んでください。
商品ページには、写真と文字の両方で情報を載せる
パッケージ写真だけでは、スマートフォンで原材料や保存方法を読めないことがあります。ラベル画像を拡大できるようにし、重要な情報は文字でも掲載すると確かめやすくなります。
原材料・アレルゲンや期限の案内を、商品説明の一番下へまとめて押し込まないことも大切です。購入前に見つけられる位置に、内容量や配送温度と一緒に置きます。
消費者庁の通販ガイド概要(新しいタブで開きます)は、食品表示基準に準じた情報提供、見やすい構成、文字による情報提供などを案内しています。以下は、それを参考にした商品ページ制作時の確認表です。
- 情報
- 商品名・内容量
- 確認する資料
- 最新のラベル、商品規格書、販売単位。
- 掲載時の注意
- 1袋の量とセット全体の量を区別する。写真に添えた皿や小物等が商品に含まれるかも分かるようにする。
- 情報
- 原材料・添加物・アレルゲン
- 確認する資料
- 自社の配合と仕入先の最新規格書、完成ラベル。
- 掲載時の注意
- 似た商品の説明を流用しない。詰め合わせは中の商品ごとの違いも確認できるようにする。
- 情報
- 期限・保存方法
- 確認する資料
- 期限の設定根拠、未開封時の保存条件、出荷するロット。
- 掲載時の注意
- 製造からの日数なのか、発送・到着時に残る日数なのかを区別する。
- 情報
- 原産地・製造地・事業者
- 確認する資料
- 仕入情報、規格書、表示責任者と製造場所の情報。
- 掲載時の注意
- 時期や仕入先で変わる情報を古いまま残さない。食品の情報とショップ運営者情報を混同しない。
- 情報
- 栄養成分
- 確認する資料
- ラベルに用いた値と表示単位、分析・計算の根拠。
- 掲載時の注意
- 100g当たり、1個当たり等の単位を数値と一緒に掲載する。
- 情報
- 配送・受取り
- 確認する資料
- 実際の保管・発送方法、配送業者の条件、対応地域。
- 掲載時の注意
- 常温・冷蔵・冷凍の別、受取り条件、送料や配送日数が商品と矛盾しないか確かめる。
アレルゲンは、パッケージの写真に小さく写っているだけにせず、文字でも確認できるようにします。仕入先や配合を変えたときは、ラベルと商品ページの両方を更新してください。
古い通販ガイドや他店のページに載っている対象品目を、そのまま使わないでください。現在の対象と表記はアレルギー表示の書き方で、最新の公的資料とともに説明しています。
「賞味期限30日」だけでは、届いてからの日数が分からない
「賞味期限30日」と書かれていたら、製造日から30日なのか、商品が届いてから30日なのか、読む人は迷います。製造後に保管した日数や配送日数があれば、期限までの残り日数は変わります。
商品ページでは、いつを起点にした日数かを明記します。発送時や到着時の期限残を案内する場合は、在庫と配送条件を確かめ、実際に守れる条件を示してください。
期限情報の書き分け例(説明用)
製造からの期間を伝える
例:「製造日から○日」。これだけでは届いた後の残り日数が分からないので、出荷する商品の期限残や問い合わせ方法も案内します。
到着時の残り期間を伝える
例:「到着時に賞味期限が○日以上残る商品をお届けします」。配送地域や日数を含め、案内した条件を満たせる出荷管理が必要です。
○日は商品の根拠と出荷条件に合わせて決める空欄です。安全な日数を示した例ではありません。消費者庁の通販ガイド(新しいタブで開きます)の期限情報の章は、期間表示による誤認や、期限残の伝え方を説明しています。
この日数の案内は、商品ページで購入前に伝える情報です。容器包装に必要な消費期限・賞味期限の表示を、同じような日数表現に置き換えてよいという意味ではありません。
短い消費期限の食品では、届いた後に食べるまでの時間も含めて販売・配送が成り立つかを検討します。期限の根拠そのものは、食品の期限設定で確認してください。
冷蔵・冷凍便を選ぶだけで、配送準備は終わらない
製造後の冷却、集荷までの保管、輸送、受取り後の保存まで、温度管理がつながるように準備します。配送業者のサービス名だけで、必要な条件を満たせるとは判断しないでください。
受入れできる食品、予冷の条件、集荷・配達できる地域、保管期間などを配送業者へ確認します。留守の場合や、冷蔵品と常温品を一緒に注文された場合の扱いも決めておきます。
- 商品に必要な温度と、集荷前・運送中・受取り後の条件が合うか。
- 包装の破損、液漏れ、つぶれ等を防ぎ、必要な温度を保てるか。
- 発送日、配送地域、到着までの日数と期限残が合うか。
- 置き配、長期不在、配送遅延や温度逸脱時に、誰へ連絡しどう対応するか。
送料・返品・事業者情報は、食品表示とは別に用意する
食品の内容が分かっても、「送料はいくらか」「いつ届くか」「不良品が届いたらどこへ連絡するか」が不明だと、安心して注文できません。通信販売では、特定商取引法に基づく表示も準備します。
ショップサービスに入力欄がある場合は、自分の販売条件に合わせて埋めます。他店の返品条件をそのまま写さず、配送や問い合わせの運用と合うか確認してください。
- 販売価格、送料、別途負担する手数料等の内容と金額。
- 代金の支払方法・時期、商品の引渡時期。
- 申込みの撤回・解除や返品の条件、方法、費用負担。
- 事業者の氏名・名称、住所、電話番号等の必要事項。法人のネット広告では代表者または通販業務の責任者の氏名も確認する。
- 申込期間を設ける場合の期間、数量制限等の販売条件。
必要事項と詳しい表示方法は、消費者庁「通信販売広告について」(新しいタブで開きます)で確認できます。上記は主な準備項目で、すべての取引条件・例外を網羅した法定表示のひな形ではありません。
個人で販売する場合も、屋号やショップ名だけで事業者情報を済ませてよいとは限りません。氏名・住所・電話番号の表示方法や省略の条件は、特定商取引法の案内と利用サービスの仕組みを確かめます。
サービスに住所等を公開しない機能があっても、それを理由に、食品の包装ラベルに必要な事業者・製造所情報まで省略できるわけではありません。包装側の書き方は販売者・製造者の記事で確認できます。
注文を確定する画面も確認してください。分量、総額、支払・引渡時期、返品・解除等の条件を、購入者が注文前に確認できる必要があります。定期購入を扱う場合は、通常の単品販売と同じ説明では足りません。
詳しくは消費者庁「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」(新しいタブで開きます)を参照してください。実装をサービス側が用意していても、自分が入力した条件が最終画面にどう出るかを見ておきます。
ラベルを変えたら、商品ページも更新する
配合や仕入原材料を変えてラベルを修正したのに、商品ページの原材料は以前のまま、という食い違いを防ぎます。どの変更を誰が確認し、どこを書き換えるかを決めてください。
古いラベルの商品と新しいラベルの商品を同時に扱うなら、どちらが届くか分からない説明のまま販売しないよう、在庫と掲載情報の対応を確認します。
商品を変更したときの確認順
- 1
根拠資料を更新
レシピ・規格書・保存条件等の変更を記録し、該当する商品と在庫を確認する。
- 2
ラベルと掲載情報を照合
包装ラベル、商品説明、原材料画像、FAQ、外部モールの掲載内容を確認する。
- 3
出荷品と最終照合
掲載の更新日を残し、実際に出荷するロットと内容が合うことを確かめる。
出品前チェックリスト
食品の通販を始める前に
商品ごとに確認してください。ショップ共通の送料や返品条件も、その商品に合うか確かめます。
営業と商品
- 製造・販売・小分け等に必要な許可や届出を確認し、必要な手続を済ませた
- 商品規格書・配合・期限と保存方法の根拠をそろえた
- 利用する販売サービスの出品条件と提出書類を確認した
包装と商品ページ
- 実際に出荷する包装に、必要な食品表示が付いている
- 内容量・原材料・アレルゲン等が最新ラベルと一致している
- 期限は、いつからの日数かが分かる
- スマートフォンで画像と文字が読める
配送と取引条件
- 配送温度・期間・地域・受取り条件が商品に合う
- 価格・送料・支払と引渡し・返品等の条件を用意した
- 事業者情報と連絡先を用意した
- 注文確定画面で分量や総額等を確認した
販売後の管理
- 問い合わせ・配送事故・不良品等の対応方法を決めた
- 製造日・ロット・注文との対応を記録できる
- 商品変更時にラベルと掲載情報を更新する担当を決めた
表示の確認を依頼したい方は、食品表示の確認依頼ページでサービス内容と必要資料を確認できます。現在は受付準備中です。
参考にした公的資料
公的資料の確認日:2026年9月6日。公開日・更新日はページ上部に表示しています。2022年の通販ガイドは、ECで情報を伝える際の参考資料です。発行後に改正された対象品目や表示方法は、現行の食品表示基準・通知で確認してください。
営業許可・届出は施設所在地の保健所へ、食品表示や通信販売の個別判断は各制度の所管機関等へ確認してください。本記事は、個別商品の許可取得、表示や契約の適合性、期限、配送中の品質・安全性を保証するものではありません。
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