アレルゲン表示の見方|「一部に○○を含む」はどこを確認する?
食品表示のアレルゲン表示は、原材料名の中に書かれる場合と、「一部に○○を含む」とまとめて表示される場合があります。この記事では、アレルゲン表示を見る場所、個別表示と一括表示の違い、注意喚起表示との違いを、消費者向けにわかりやすく解説します。
はじめに
食品を買うとき、アレルギーがある人やその家族にとって、アレルゲン表示の確認はとても重要です。食品表示には原材料名、添加物、内容量、保存方法、栄養成分表示など多くの情報がありますが、アレルゲン表示は食べてもよいかどうかを判断するうえで特に慎重に確認したい情報です。
よく見かける表示に「一部に小麦・卵・乳成分を含む」のようなものがあります。この表示を見たときに、どの原材料に含まれているのか、原材料名のどこを見ればよいのか、同じ工場で製造していますという注意書きとは何が違うのか、と迷う人も多いと思います。
この記事は食品表示を読むための一般的な解説です。アレルギーに関わる判断は、必ず購入前・喫食前に手元の商品の現物表示で確認してください。データベースや記事の情報は、商品選びの参考情報として利用してください。
原材料名欄
原材料や添加物のすぐ後ろに、個別表示がないか確認します。
一部に○○を含む
原材料名の末尾などにある一括表示で、食品全体のアレルゲンを確認します。
注意喚起表示
同じ工場・同じライン等の注意書きは、含有表示とは意味を分けて読みます。
現物表示
最終判断は、購入前・喫食前に手元の商品表示で行います。
まず見るべき場所
アレルゲン表示を確認するときは、まず次の場所を見ます。
- 原材料名欄
- 添加物欄
- 原材料名欄の最後にある「一部に○○を含む」表示
- 枠外や欄外のアレルゲン表示
- 注意喚起表示
多くの加工食品では、アレルゲンは原材料名の中や、その末尾に表示されています。たとえば「原材料名:小麦粉、砂糖、マーガリン、卵、食塩/膨張剤、香料、(一部に小麦・卵・乳成分を含む)」のような表示です。
この場合、最後の「一部に小麦・卵・乳成分を含む」が、アレルゲンをまとめて示している部分です。一方で、「マヨネーズ(卵を含む)」のように、原材料のすぐ後ろに表示されることもあります。
「一部に○○を含む」とは
「一部に○○を含む」は、その食品に含まれるアレルゲンをまとめて表示する方法です。
表示例:原材料名:じゃがいも、にんじん、ハム、マヨネーズ、たんぱく加水分解物/調味料(アミノ酸等)、(一部に卵・豚肉・大豆・牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)
この場合、食品全体として、卵、豚肉、大豆、牛肉、さけ、さば、ゼラチンが含まれることを示しています。ここで大切なのは、「一部に○○を含む」と書かれている場合、その食品のどこかにそのアレルゲンが関係しているということです。
どの原材料に由来するかまでは、この表示だけでは分かりにくい場合があります。そのため、アレルギーがある人は、「一部に○○を含む」の表示だけでなく、原材料名全体、添加物欄、欄外の注意書きもあわせて確認してください。
個別表示と一括表示の違い
アレルゲン表示には、大きく分けて「個別表示」と「一括表示」があります。
| 表示方法 | 表示例 | 読み方 |
|---|---|---|
| 個別表示 | マヨネーズ(卵を含む) | どの原材料にアレルゲンが関係しているか分かりやすい表示です。 |
| 個別表示 | カゼインナトリウム(乳由来) | 添加物や原材料の由来として表示されることがあります。 |
| 一括表示 | (一部に小麦・卵・乳成分・大豆を含む) | 食品全体として含まれるアレルゲンをまとめて確認できます。 |
個別表示では、原材料や添加物のすぐ後ろに、どのアレルゲンを含むかを書きます。一括表示では、原材料名欄の最後などに、含まれるアレルゲンをまとめて表示します。
消費者としては、まず末尾の「一部に○○を含む」を確認し、次に原材料名全体を見て、どのような材料が使われているかを確認すると読みやすくなります。
「乳」は「乳成分」と表示される
食品表示では、「乳」に関する表示で「乳成分を含む」という表現をよく見かけます。たとえば「チョコレート(乳成分を含む)」のような表示です。
「牛乳」と書かれていなくても、「乳成分」と表示されていれば、乳に関係するアレルゲンとして確認が必要です。また、添加物では「カゼインナトリウム(乳由来)」のように、「乳由来」と表示される場合があります。
アレルギーがある場合は、「乳」「乳成分」「乳由来」など、関連する表示を見落とさないようにしてください。
表示義務のあるものと、推奨されるものがある
アレルゲン表示の対象には、表示が義務付けられているものと、表示が推奨されているものがあります。令和8年4月時点では、特に発症数や重篤度の観点から表示の必要性が高いものとして、次の9品目が「特定原材料」とされています。
| 区分 | 品目 |
|---|---|
| 特定原材料(表示義務) | えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生 |
| 特定原材料に準ずるもの(推奨表示) | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
制度の対象品目は見直されることがあります。また、改正に伴う表示の切替時期や経過措置により、商品によって表示状況が異なる場合があります。実際に食品を購入するときは、商品の現物表示を確認してください。
注意喚起表示とは
アレルゲン表示とは別に、「本品製造工場では、卵・乳成分・小麦を含む製品を製造しています。」のような注意書きを見たことがある人も多いと思います。
これは、原材料としてそのアレルゲンを使用していることを示す表示とは性質が異なります。製造工場や製造ラインで他のアレルゲンを含む製品を扱っている場合に、意図しない混入の可能性について注意を促すものです。
| 表示例 | 意味 |
|---|---|
| 一部に小麦を含む | その食品に小麦が含まれることを示す表示です。 |
| 本品製造工場では小麦を含む製品を製造しています | 原材料として使っていない場合でも、製造工程上の混入可能性に注意を促す表示です。 |
アレルギーがある人にとっては、どちらも重要な情報ですが、意味が違うため分けて読むことが大切です。
「入っているかもしれない」とは表示できない
食品のアレルゲン表示では、単に「入っているかもしれない」という可能性だけを表示することは認められていません。そのため、「小麦が入っているかもしれません」のような表示をアレルゲン表示として使うことはできません。
表示を見るときは、「含む」と書かれているのか、「同じ工場で製造しています」と書かれているのかを分けて確認すると理解しやすくなります。
原材料名・添加物表示とあわせて確認する
アレルゲン表示は、原材料名や添加物表示と切り離して考えるのではなく、あわせて確認することが大切です。たとえば、原材料名に「しょうゆ」と書かれている場合、その由来として小麦や大豆が関係することがあります。
表示上は、「しょうゆ(小麦・大豆を含む)」のように書かれる場合もあれば、「(一部に小麦・大豆を含む)」のようにまとめて表示される場合もあります。
アレルゲン表示を確認するときは、原材料名全体、「一部に○○を含む」、添加物欄、欄外の注意喚起表示を確認し、不明点があればメーカーや販売者に確認するとよいです。
小袋や詰め合わせ商品では外装も確認する
注意したいのが、個包装や詰め合わせの商品です。小さな個包装だけを見ると、アレルゲン表示が見当たらない場合があります。しかし、外側の大きな袋や箱に一括表示があることがあります。
たとえば、複数のお菓子が大袋に入っている商品では、個々の小袋ではなく、外装パッケージに原材料名やアレルゲン表示がまとめて書かれていることがあります。
子どもにお菓子を渡すときや、外出先で個包装だけを受け取ったときは、できるだけ外装表示を確認してください。外装が手元にない場合は、無理に判断せず、商品名やメーカー情報を確認することが大切です。
食品表示画像データベースで確認できること
食品表示画像データベースでは、実際の商品ラベル画像を見ながら、原材料名、添加物、アレルゲン、栄養成分表示を確認できます。
実際の一括表示画像
原材料名の全文
添加物の表示
アレルゲン表示
栄養成分表示
表示から読み取れる商品の特徴
消費者向けの確認ポイント
アレルゲン表示を見るときは、テキスト情報だけでなく、実際の表示画像もあわせて確認すると理解しやすくなります。ただし、商品はリニューアルされることがあります。掲載情報は、撮影時点・投稿時点の表示例です。購入前・喫食前には、必ず手元の現物表示を確認してください。
商品ページを探す実際の一括表示画像と整理された食品表示情報を確認できます。原材料名と添加物表示の見方も読む「/」の前後や添加物欄の見方をあわせて確認できます。食品表示情報を検索する商品名、カテゴリ、原材料名、アレルゲンなどから食品表示情報を探せます。よくある疑問
「一部に○○を含む」と書かれていたら、必ず避けるべき?
そのアレルゲンに対してアレルギーがある人は、基本的に避ける判断が必要になります。ただし、具体的な食事管理は、医師の診断や指導に基づいて行ってください。
「同じ工場で製造しています」は、原材料に入っているという意味?
いいえ。原材料として使われていることを示す表示ではありません。製造工程上、意図しない混入の可能性に注意を促す表示です。ただし、アレルギーがある人にとっては重要な情報です。
原材料名の最後だけ見れば十分?
十分とはいえません。「一部に○○を含む」は重要ですが、原材料名、添加物欄、欄外の注意喚起表示もあわせて確認する必要があります。
昔見た商品ページの情報を信じてもよい?
商品はリニューアルされることがあります。原材料、添加物、アレルゲン表示が変わる場合があるため、最終判断は必ず現物表示で行ってください。
まとめ
アレルゲン表示を見るときは、まず原材料名欄と「一部に○○を含む」の表示を確認します。「一部に○○を含む」は、その食品に含まれるアレルゲンをまとめて示す一括表示です。
どの原材料に由来するかまで分かりにくい場合があるため、原材料名全体とあわせて確認することが大切です。また、「同じ工場で製造しています」という注意喚起表示は、原材料として含まれることを示す表示とは意味が異なります。
食品表示は、商品を選ぶための大切な手がかりです。特にアレルゲンに関わる情報は、必ず手元の商品表示を確認し、必要に応じてメーカーや販売者に問い合わせるようにしてください。
参照した情報源
消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」
消費者庁「アレルギー表示について」
消費者庁「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」
消費者庁「食品表示基準について」