【実例で解説】アレルギー表示の見方|「一部に○○を含む」とは?
原材料名の直後と欄の最後に注目すると、アレルギー表示を探せます。「一部に○○を含む」の意味や、工場・ラインに関する注意書きとの違いも、図で確認します。
執筆:食品表示ラベルナビ編集部
アレルギー表示は、原材料名とその直後の括弧、続いて欄の最後を確認します。括弧がない原材料名も読み飛ばさず、原材料名欄と、別に設けられていれば添加物欄を順に見てください。
食品を製造・販売する方は、事業者向けのアレルギー表示の書き方で、規格書からの情報収集、個別表示・一括表示の作成、2026年改正への対応を確認できます。
アレルギー表示は、原材料名欄を順番に確認
容器包装された加工食品では、表示義務の対象となるアレルゲンを含む場合、その情報は原材料名欄や添加物欄で確認できます。見つけやすいように、次の順番で読むのがおすすめです。
図1 アレルギー表示を確認する順番
- 1
原材料名と直後の括弧を読む
個別表示が原則です。原材料・添加物の名前と「(○○を含む)」「(○○由来)」などを先頭から確認します。「卵」「小麦粉」のように、名前自体から分かるものもあります。
- 2
欄の最後に一括表示がないか見る
「(一部に○○を含む)」は、対象アレルゲンをまとめた表示です。「一部に」は含有量や「ソースの部分だけ」といった食品内の場所を表しているわけではありません。
- 3
枠外の注意喚起表示も確認する
同じ工場・ラインで扱うアレルゲンについて書かれている場合があります。原材料として使われていることを示す表示とは分けて読みます。
個包装だけが手元にあるときは、外袋や外箱の表示も確認してください。ネットの情報と見比べる場合は、商品名・味・容量が手元の商品と一致しているか確かめます。
個別表示と一括表示の違い
アレルギー表示には、原則の「個別表示」と、例外的な「一括表示」があります。個別表示はどの原材料・添加物に由来するかを追いやすく、一括表示は食品に含まれる対象を欄末でまとめて確認できます。1つの商品で個別表示と一括表示を組み合わせることはできません。
表は横にスクロールして読めます。
| 表示方法 | 表示例 | 見る場所 | 読み取れること |
|---|---|---|---|
| 個別表示(原則) | しょうゆ(小麦・大豆を含む)/乳化剤(大豆由来) | 原材料・添加物の直後 | どの原材料・添加物に由来するか確認しやすい |
| 一括表示(例外) | (一部に小麦・さば・大豆を含む) | 原材料名欄の最後。原材料と添加物を別欄にした場合は各欄の最後 | 食品に含まれる対象アレルゲンをまとめて確認できる |
横にスクロールして、表示の細部を確認できます。
画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)実際の商品表示で見比べる
実例1 原材料の直後にある「○○を含む」
- 原材料
- しょうゆ
- 直後の表示
- (小麦・大豆を含む)
- 確認できるアレルゲン
- 小麦・大豆
- 原材料
- 植物たんぱく加水分解物
- 直後の表示
- (大豆を含む)
- 確認できるアレルゲン
- 大豆
| 原材料 | 直後の表示 | 確認できるアレルゲン |
|---|---|---|
| しょうゆ | (小麦・大豆を含む) | 小麦・大豆 |
| 植物たんぱく加水分解物 | (大豆を含む) | 大豆 |
この表示では、たれに使われている「しょうゆ」と「植物たんぱく加水分解物」の直後に括弧があります。どの原材料に小麦・大豆が関係しているかを追える個別表示です。金のつぶ とろっ豆の商品ページで登録画像を見る
実例2 添加物の直後にある「○○由来」
- 添加物
- 乳化剤
- 直後の表示
- (大豆由来)
- 確認できるアレルゲン
- 大豆
- 添加物
- 香料
- 直後の表示
- (乳・大豆由来)
- 確認できるアレルゲン
- 乳・大豆
| 添加物 | 直後の表示 | 確認できるアレルゲン |
|---|---|---|
| 乳化剤 | (大豆由来) | 大豆 |
| 香料 | (乳・大豆由来) | 乳・大豆 |
添加物が対象アレルゲンに由来する場合は、添加物名の直後に「(○○由来)」と表示するのが原則です。この例では、「乳化剤」という言葉の「乳」ではなく、直後の「大豆由来」から大豆を確認します。アンパンマンペロペロチョコBIGの商品ページで登録画像を見る
実例3 欄の最後にある「一部に○○を含む」
- 確認箇所
- 原材料名欄の最後
- 登録されている表示
- (一部に小麦・さば・大豆を含む)
- 読み取れること
- 商品に小麦・さば・大豆が含まれる
- 確認箇所
- 原材料名
- 登録されている表示
- しょうゆ(国内製造)、糖類、食塩、かつおぶしエキス、さばぶし…
- 読み取れること
- 一括表示だけでは、各アレルゲンがどの原材料に由来するか特定できない
| 確認箇所 | 登録されている表示 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 原材料名欄の最後 | (一部に小麦・さば・大豆を含む) | 商品に小麦・さば・大豆が含まれる |
| 原材料名 | しょうゆ(国内製造)、糖類、食塩、かつおぶしエキス、さばぶし… | 一括表示だけでは、各アレルゲンがどの原材料に由来するか特定できない |
この商品では、原材料名欄の最後に小麦・さば・大豆がまとめて表示されています。途中の「しょうゆ(国内製造)」にある括弧は原産地の表示で、アレルギー表示ではありません。括弧は中の言葉まで読んで判断することが大切です。名代そうめんつゆの商品ページで登録画像を見る
「一部に○○を含む」は何を意味する?
「(一部に○○を含む)」は、食品に含まれる対象アレルゲンを原材料名欄の最後でまとめて示す定型的な一括表示です。「一部に」という言葉は、含有量や食品内の物理的な場所を説明するものではありません。
横にスクロールして、表示の細部を確認できます。
画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)| 分かること | この表示だけでは分からないこと |
|---|---|
| 商品に豚肉が含まれる | どの原材料に由来するか/含有量/食品のどの部分に含まれるか |
シャウエッセンの登録表示には、原材料名として「豚肉(輸入、国産)、豚脂肪…」、アレルギー表示として「(一部に豚肉を含む)」とあります。これは「豚肉が少量だけ」という意味でも、「ソースなど特定の部分だけ」という意味でもありません。シャウエッセンの商品ページで登録画像を見る
「○○を含む」と「○○由来」の違い
個別表示では、原材料と添加物で基本の書き方が異なります。原材料は、その原材料が対象アレルゲンを含むことを「(○○を含む)」と表示します。添加物は、その添加物が対象アレルゲンから作られていることを、原則「(○○由来)」と表示します。
表は横にスクロールして読めます。
| 区分 | 基本の書き方 | 表示例 |
|---|---|---|
| 原材料 | 原材料名(○○を含む) | しょうゆ(小麦・大豆を含む) |
| 添加物 | 添加物名(○○由来) | 乳化剤(大豆由来) |
見落としやすい・間違えやすい表示
- 表示
- 卵・小麦粉・脱脂粉乳
- 読み方のポイント
- 名前そのものが特定原材料や、その代替表記・拡大表記に当たるため、直後に括弧がないことがあります。
- 表示
- 乳成分を含む
- 読み方のポイント
- 原材料について乳を含む旨を表示するときの表現です。
- 表示
- 乳由来
- 読み方のポイント
- 添加物が乳に由来する旨を表示するときの表現です。
- 表示
- 乳化剤
- 読み方のポイント
- 「乳」の字がありますが、乳を意味する名称ではありません。対象アレルゲンに由来する場合は、直後の括弧や一括表示を確認します。
- 表示
- しょうゆ(国内製造)
- 読み方のポイント
- 括弧内は製造地に関する表示です。アレルギー表示かどうかは「含む」「由来」など中の言葉まで読みます。
| 表示 | 読み方のポイント |
|---|---|
| 卵・小麦粉・脱脂粉乳 | 名前そのものが特定原材料や、その代替表記・拡大表記に当たるため、直後に括弧がないことがあります。 |
| 乳成分を含む | 原材料について乳を含む旨を表示するときの表現です。 |
| 乳由来 | 添加物が乳に由来する旨を表示するときの表現です。 |
| 乳化剤 | 「乳」の字がありますが、乳を意味する名称ではありません。対象アレルゲンに由来する場合は、直後の括弧や一括表示を確認します。 |
| しょうゆ(国内製造) | 括弧内は製造地に関する表示です。アレルギー表示かどうかは「含む」「由来」など中の言葉まで読みます。 |
最新の表示対象は、義務9品目・推奨20品目
2026年4月時点では、表示が義務付けられた「特定原材料」が9品目、表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」が20品目あります。以前の「28品目」という情報ではなく、現在は合計29品目です。
横にスクロールして、表示の細部を確認できます。
画像を拡大して確認する(新しいタブで開きます)- 区分
- 表示義務・9品目
- 品目
- えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、カシューナッツ
- 区分
- 表示推奨・20品目
- 品目
- アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
| 区分 | 品目 |
|---|---|
| 表示義務・9品目 | えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、カシューナッツ |
| 表示推奨・20品目 | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
同じ工場・ラインの注意喚起表示とは
「本品製造工場では、卵を含む製品も生産しています」のような表示は、卵をこの商品の原材料として使用したことを示す表示ではありません。同じ工場や製造ラインなどで別の商品を作る際の、意図しない混入について知らせる注意喚起表示です。
| 表示例 | 意味 |
|---|---|
| (一部に卵を含む) | この商品に卵が含まれることを示すアレルギー表示 |
| 本品製造工場では、卵を含む製品も生産しています | 卵を原材料として使った表示とは別の、意図しない混入に関する注意喚起 |
「入っているかもしれません」「入っている場合があります」のような、単なる可能性だけを示す表示は認められていません。消費者は「含む」という法定表示と、「同じ工場で生産しています」という注意喚起表示を分けて確認してください。
アレルギー表示が見つからないことがある場面
アレルギー表示の義務は、主に容器包装された加工食品と添加物が対象です。次のような場面では、同じ表示義務が適用されない、または手元の包装だけでは表示が完結しないことがあります。
- ばら売り・量り売りの食品
- 飲食店で提供される料理や出前
- 酒類
- 外袋や外箱にまとめて表示され、個包装だけでは確認できない商品
- 表示が推奨にとどまる20品目
よくある疑問
「一部に○○を含む」は、少量だけ含むという意味ですか?
いいえ。この表示から含有量は分かりません。食品に含まれる対象アレルゲンを欄末でまとめて示す一括表示です。「食品のこの部分だけ」という場所を示す表現でもありません。
個別表示と一括表示の両方が同じ商品に書かれますか?
個別表示と一括表示を組み合わせて使用することはできません。ただし、原材料と添加物を別の欄で表示する商品が一括表示を採用した場合は、それぞれの欄の最後に一括表示されます。
「乳化剤」とあれば、乳アレルギーの表示ですか?
「乳化剤」は添加物の名称であり、名前に「乳」があるだけでは乳由来を意味しません。対象アレルゲンに由来する場合は「乳化剤(大豆由来)」などの直後の括弧、または欄末の一括表示で確認します。
「同じ工場で製造」は、そのアレルゲンを含むという意味ですか?
原材料として使用したことを示す表示とは別です。ただし、意図しない混入に関する情報なので、除去が必要な程度や判断方法について医師の指示がある場合は、その指示に従ってください。
ウェブサイトの商品情報だけで判断してよいですか?
商品情報は確認の手がかりになりますが、リニューアルや製造時期により表示が異なることがあります。購入前・喫食前は、商品名・味・容量も照合して手元の現物表示を確認してください。
まとめ:原材料名と括弧を先頭から確認する
この記事の要点
- まず原材料名と直後の括弧を順に確認する。
- 次に欄の最後に「(一部に○○を含む)」がないか確認する。
- 原材料は「○○を含む」、添加物は原則「○○由来」と表示する。
- 「一部に」は量や食品内の場所ではなく、一括表示の定型表現として読む。
- 同じ工場・ラインの注意喚起表示は、通常の含有表示と分けて読む。
- 最後は必ず手元の現物表示を確認する。
参照した公的資料
関連キーワード
食品表示 / アレルギー表示 / アレルゲン表示 / 個別表示 / 一括表示 / 特定原材料 / 注意喚起表示


