高めの血圧に関する機能性表示食品|主な成分と届出表示の比較
高めの血圧に関して届出されている機能性表示食品について、主な成分と届出表示の違いを整理します。
機能性表示食品は医薬品ではなく、疾病の治療・予防を目的としたものではありません。血圧が高い状態(高血圧)の診断や治療は医師が行うものです。降圧薬を服用中の方は、必ず主治医に相談してから使用してください。
- 届出されている機能・主な機能性関与成分・商品を比較するときの確認点
「健診で血圧が少し高めといわれた」「食事に気をつけているけれど数値が気になる」
こうした「高血圧予備軍」の段階から生活習慣を整えることが、将来のリスク低減につながります。
機能性表示食品で「血圧」に関する届出は668件あり、GABA配合の製品が圧倒的多数を占めますが、成分ごとにアプローチが異なります。
この記事では、血圧サポートに関連する主な成分の特徴と科学的根拠を比較します。
血圧をサポートする主なメカニズム
血圧関連の機能性成分は、主に次の4つのメカニズムで働きます。
血管を拡張させる — 神経系の抑制や一酸化窒素の産生促進を通じて、末梢血管の抵抗を下げる
ACEを阻害する — アンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを抑え、血管収縮物質の産生を減らす
血栓・血液粘度に作用する — 血液のサラサラ感を保ち、血流を改善する
動脈硬化を抑制する — 酸化ストレスや炎症を軽減して血管の柔軟性を保つ
血圧サポートに関連する主な成分
GABA — 最多配合、交感神経を鎮めて血圧をサポート
血圧高め関連の668件のうち、約500件がGABA配合という圧倒的なシェアを持ちます。GABAは脳内の抑制性神経伝達物質で、交感神経の過剰な活動を抑えることで血管の緊張を和らげ、血圧の上昇を抑制する仕組みです。
ストレス時に血圧が上がりやすい方に特に向いている成分で、睡眠の質やストレス緩和と兼ねた訴求が多いのも特徴です。
エビデンス: 複数のランダム化比較試験で、GABAの継続摂取(80〜120mg/日、4〜12週間)が収縮期血圧・拡張期血圧の両方を有意に低下させることが確認されています。効果の大きさは中程度(約3〜5mmHg)で、降圧薬には及ばないものの、「高め」の段階での活用に適しています。
α-リノレン酸 — エゴマ・亜麻仁油の主成分
α-リノレン酸はエゴマや亜麻仁に豊富なオメガ3系脂肪酸で、体内でEPAやDHAに変換されます。これらが血管の柔軟性を保ち、血流を改善することで血圧のサポートにつながります。
約25件の届出があり、食用油やサプリメント形態が多く見られます。
エビデンス: α-リノレン酸の直接的な血圧降下エビデンスはEPAやDHAより弱いとされますが、オメガ3系脂肪酸全体として血管内皮機能の改善が複数のメタ分析で示されています。
ナットウキナーゼ — 血液のサラサラをサポート
ナットウキナーゼは、納豆に含まれる酵素で、血栓の主成分であるフィブリンを分解する作用があります。血液の粘度を下げることで、血流を改善して血圧のサポートに関与するとされています。
約18件の届出があり、血圧と血栓サポートを兼ねた訴求が特徴です。
エビデンス: 臨床試験で、ナットウキナーゼ(2,000FU/日相当)の継続摂取により収縮期・拡張期血圧の改善が報告されています。ただし、ワルファリンなどの抗凝固薬との相互作用が懸念されるため、服用中の方は必ず医師に相談してください。
カゼインペプチド(トリペプチドMKP) — 牛乳由来のACE阻害ペプチド
MKP(メチオニン-リジン-プロリン)は牛乳由来のカゼインを酵素分解して得られるトリペプチドです。ACE(アンジオテンシン変換酵素)を阻害することで、血管収縮物質(アンジオテンシンII)の産生を抑制し、血圧を下げる仕組みです。ACE阻害薬に似たアプローチをとる食品成分です。
エビデンス: 二重盲検比較試験で、MKP含有製品の4週間摂取により収縮期血圧が有意に低下することが報告されています(約4mmHg)。
酢酸(お酢) — 日本古来の知恵に科学的根拠
酢の主成分である酢酸は、血管拡張に働くPGI2(プロスタサイクリン)の産生を促進し、血圧を下げる作用が示されています。食品としてもなじみ深く、ドリンク酢やサプリメント形態で販売されています。
エビデンス: 軽症高血圧(高め)の方を対象とした試験で、酢酸750mg/日(酢大さじ1杯相当)の継続摂取で収縮期血圧が約3mmHg低下することが確認されています(大妻女子大学ほか)。
その他の血圧サポート成分
オリーブ由来ヒドロキシチロソール: 地中海食の主成分。抗酸化とACE阻害の両面からサポート
カツオ由来エラスチンペプチド: 血管の弾力性を維持し、ACE阻害作用を持つ
カカオフラバノール: 一酸化窒素の産生を促進して血管を拡張
松樹皮由来プロシアニジン: 強力な抗酸化作用で血管内皮を保護
バリルチロシン: イワシ由来のACE阻害ペプチド
杜仲葉由来ゲニポシド酸: 中国伝統医学由来の血圧サポート成分
血圧サポートの機能性表示食品を一覧で見る
成分の選び方ガイド
よくある質問
Q: 機能性表示食品で血圧は正常値に戻りますか?
A: 機能性表示食品は「正常な人の血圧の維持」や「血圧が高めの方のサポート」を目的としており、高血圧の治療効果を持つものではありません。高血圧と診断されている場合は医師の指示に従った治療が必要です。生活習慣の改善(減塩、運動、禁煙など)を基本とし、機能性表示食品は補助的に活用してください。
Q: 降圧薬を飲んでいても使えますか?
A: GABAや多くの成分は降圧薬との相互作用の報告が少ないですが、ナットウキナーゼはワルファリンなど抗凝固薬との相互作用が懸念されるため使用を避けてください。また、血圧降下効果のある成分を薬と一緒に摂ると、血圧が下がりすぎる(低血圧)リスクもあります。必ず主治医に相談してから使用してください。
Q: 食塩の摂取量との関係は?
A: 日本人の血圧管理において、減塩(1日6g未満が目標)は最も効果が高い生活習慣改善のひとつです。機能性表示食品のサポート効果(数mmHg程度)に比べ、減塩の効果は大きく、まずは食事改善を優先することが推奨されます。
まとめ
血圧が高めの方向けの機能性表示食品は668件と多く、特にGABAが約500件と圧倒的多数を占めます。成分ごとのアプローチは、
神経系の抑制 — GABA(最多件数、ストレスとの併用訴求)
ACE阻害 — カゼインペプチド、カツオ由来エラスチンペプチド、バリルチロシン、ラクトトリペプチド
血流改善 — ナットウキナーゼ、α-リノレン酸、カカオフラバノール
抗酸化・血管保護 — オリーブ由来ヒドロキシチロソール、松樹皮由来プロシアニジン
まずは生活習慣の改善を基本としながら、自身の状況に合った成分を選んでください
参考文献
Inoue K et al. “Long-term effects of dietary gamma-aminobutyric acid on blood pressure in normo- and hypertensive subjects.” Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 2003; 49(4): 283-288.
Nakamura Y et al. “Antihypertensive effect of lactoferrin hydrolysate in spontaneously hypertensive rats and hypertensive subjects.” Journal of Dairy Science, 1995; 78(6): 1253-1257.
Kondo T et al. “Vinegar intake reduces body weight, body fat mass, and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects.” Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2009; 73(8): 1837-1843.
消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」
ストレスに関する機能性表示食品|主な成分と届出表示の比較関連する制度・成分・届出表示のポイントを詳しく確認できます。食後血糖値に関する機能性表示食品|主な成分と届出表示の比較関連する制度・成分・届出表示のポイントを詳しく確認できます。